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勉強やFXやXMや投資の話などが好きです。普段は生活をしながらFXを楽しんでいるわけですが、あまり楽しめてないのが現実でございます。生きるとはなにかを考えFXを極めていきたいと考えております。
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現在存在しているイギリス及びヨーロッパの自動車を思い出してほしい。完全受注生産のイギリスのロールスロイスを筆頭にジャガー、ドイツのベンツ、BMW、ポルシェ、イタリアのランボルギーニ、マセラティやスウェーデンのボルボ、サーブといった風にヨーロッパ各国の車はいわゆる高級車が非常に多い。現在、世界で最も信頼のある日本車で最高級の車は一千万円程度だが、ヨーロッパ諸国の自動車には遥かに高価なものが数多く存在する。これらの高級車メーカーが現在ヨーロッパに多いことは決して偶然ではなく、生まれるべくして生まれたものなのである。この事を説明する上でヨーロッパのクラフトマンシップによる職人芸術的技術の文化背景を考えなければならない。

ⅲ.クラフトマンの職人芸とその限界

ヨーロッパには中世の工業ギルド以来のクラフトマンシップの伝統がある。クラフトマンシップは、手工業的熟練の時代だけでなく近代の機械性工業の時代にも受け継がれ、旋盤などの工作機械や、自家製の治工具などを使った単品個別生産の技法で、様々な工業製品が作られていた。初期の自動車は単品個別に製造されたものを組み合わせるといった方式だったので、まさにこのようなクラフトマンシップ的熟練技術作られる存在としてうってつけのものであった。そして、現在先程あげたような高級車メーカーがなお存続しているのも、このようなクラフトマンシップを重んじるヨーロッパの伝統が生きているからなのである。このような、現在にも残る高級車作りの伝統は、ヨーロッパが機械工業技術のレベルではアメリカに大きく先行しながら、そのクラフトマンシップを重視しすぎたため、後の大量生産方式ではアメリカに遅れをとってしまうことになるのである。また、それと同時に、ヨーロッパでは馬車が貴族や富裕階級の乗り物であった時代が長く続いたことが尾を引き、自動車についてもその主たるユーザーは上流階級に限定されていた。詳しく言うと、ヨーロッパでは自動車ユーザーが値段にはこだわる必要のない上流階級に限定されたこと、クラフトマンシップによる伝統的熟練=万能工的技術によって、自動車が製造されたことは、結果において自動車の大衆市場の発展やそれにふさわしい大衆車の出現を妨げ、大衆車を安く大量に作る大量生産方式の発展を遅らせることになってしまった。クラフトマン的熟練の下では、部品や加工する機械にしても、すべて熟練工による手作りでつくられ、加工されることになるので、部品の規格化、標準化は進まないし、規格化された部品を作るための専用加工の機械等も発達しない。ここに、ヨーロッパの自動車産業がその初期の段階においては、クラフトマン的熟練でしかできなかった自動車で世界をリードしながらも、やがて大量生産方式を自分のものにしたアメリカに追いつき追い越される大きな理由がある。ヨーロッパのクラフトマンシップ全盛期の車作りにおいては、自動車作りの万能的技能の熟練が重んじられ、設計者といえどもクラフトマン的熟練を自分でも習得している人でなくてはならなかった。しかもその場合の技能というのはとても範囲が広く且つレベルの高いもので、これがこなせるクラフトマンというのはとても特別な存在だったのでる。だから、ベンツを始めとするヨーロッパの自動車のパイオニアたちは例外なく自身がクラフトマンであり、パイオニアたちの作った自動車を継承して作る技能工もまた皆クラフトマンでなくてはならなかった。
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